みなさんこんばんは。りゅうがく万博管理人のわかみやです。
突然ですが、今受験生のお子さんにこのような課題はありませんか?
- GMARCHの問題はなんとか解けるけど、早慶の問題で苦戦している。
- どうやって早慶の数学に太刀打ちしていけばいいのかわからない。
実は高校受験数学における早慶とGMARCHには偏差値以上に大きな差があります。
もちろん早慶の方が偏差値が高いだけあって、GMARCH以上の計算力、応用力が問われるのは当然です。
ですが、それ以上に学校から問われている内容も早慶とGMARCHでは大きく異なっていることをご存知でしょうか?
早稲田や慶應から問われている内容を知っておかないと、どれだけ勉強しても早慶の問題で合格点を取れない可能性があります。
うちの子は早慶の問題でなかなか合格点が取れません。
どうしたらいいんでしょう・・・?
それぞれの学校の問題の傾向を理解し、適した勉強法を取り入れれば解決するかもしれません!ぜひ最後までご覧になってみてください。
ご参考になりそうな考え方があればぜひお子さんの勉強法に反映してみてください。
こちらの記事は自分の経験をベースに記載したものです。受験生の合格を保証するものではありません。
また受験生の数だけ勉強法には正解がありますので、あくまで参考程度でよろしくお願いします!
この記事を書いている人はこんな人
早慶とGMARCHの入試問題では問われていることが全く違う
GMARCHで問われているのは基礎力とスピード
GMARCHと早慶の入試ではそもそもの問題数が違います。
2021年度、2020年度、2019年度、2018年度の早慶の問題とGMARCHの過去問数をまとめてみました。
まずはこちらの表をご覧ください。
早稲田本庄(50分) | 早稲田大学高等学院(50分) | 慶応志木高校(60分) | |
---|---|---|---|
2021年度 | 13問 | 16問 | 15問 |
2020年度 | 13問 | 16問 | 14問 |
2019年度 | 13問 | 17問 | 17問 |
2018年度 | 13問 | 12問 | 15問 |
明大中野(50分) | 青山学院(50分) | 立教新座(60分) | |
---|---|---|---|
2021年度 | – | 22問 | 25問 |
2020年度 | 17問 | 18問 | 25問 |
2019年度 | 16問 | 20問 | 23問 |
2018年度 | 21問 | 20問 | 24問 |
ここで記載している問題の数は解答欄の個数と定義しています。
例えば、(3)ア○○、イ□□、ウ△△という問題が1つの解答欄に記載されている場合、この問題は完全解答(全問正解で丸)ですので1問分とカウントしています。
多少の問題数の相違はあれど、やはり早慶の問題の方が問題数が少ない傾向にあることはおわかりいただけるのではないでしょうか?
例えば、早稲田本庄の過去3年の問題は50分で13問と変わっていません。
単純計算で1問あたりに費やせる時間は4分ありません。これでもかなり短いですね笑
一方で同じ50分の試験時間の青山学院の問題数を見てみましょう。
青山学院の数学の問題数は平均20問ほどになりますので、費やせる時間は2.5分です。
この時間は、問題を見た瞬間に解き方を頭の中でイメージできていなければ間に合わない時間だと思います。
早稲田本庄の1問あたりの平均回答時間 | 青山学院の1問あたりの平均回答時間 |
---|---|
3.8分(228秒)/1問 | 2.5分(150秒)/1問 |
もちろん全ての学校の問題がこれに当てはまっていないことは承知していますが、それでもGMARCHの要求していることが基礎力やスピードということについてはご理解いただけたのではないでしょうか?
学習院高校の問題数は早慶とかなり近いですね!
また問題の難易度についても、GMARCHで出題される問題は一般的な塾で配布されるレベルの教材と大差ありません。
早稲田アカデミーでは独自の教材に加えて、新中学問題集(新中問と呼んでいました)という教材を使いながら勉強していました。
新中問には標準編と発展編があり、私が受験生の頃は発展編を解いていました。
GMARCHの入試問題のほとんどはこの新中問(発展編)で出てくるレベルの問題が多いです。
これらの事実から読み取れるのは、「GMARCHの学校が求めているのは簡単な問題を取りこぼしなく正解できる受験生」ということです。
これに対し、早慶の学校では求めている受験生のレベルが変わってきます。
早慶で問われているのは応用力とひらめき
先程の段落ではGMARCHが受験生に求めているスキルについて、過去問の数を用いて説明しました。
一方で早慶の問題で多く問われているのは圧倒的な基礎力に加えた応用力やひらめきです。
応用力とひらめき!!
勘違いしないで欲しいのは、(圧倒的な基礎力)+応用力とひらめきということです!!
いくつか早慶とGMARCHの過去問をピックアップしてみましたので、実例を踏まえながらかんたんにご説明したいと思います。
詳しい計算は省いて、考え方の違いについて説明していますのでこれを機にぜひ早慶の問題のレベルを体感してみてください!
明大中野と早稲田本庄の問題比較
連立方程式①の解のxとyの値を入れ替えると連立方程式②の解になります。a、bの値を求めなさい。
次の2つの連立方程式③④が同じ解を持つように定数a、bの値を定めよ。
連立方程式①
・6x-5y=3
・4x-y=a
連立方程式②
・4x-3y=12
・bx+2y=25
連立方程式③
・ax+by=2
・3x/10-6y/5=54/15
連立方程式④
・1.7x+1.5y=3.8
・2ax+3by=-6
早慶とGMARCHの問題で共通している点
- 連立方程式の問題であること
早慶とGMARCHの問題で違う点
- 小数点、分数を含む連立方程式であること
どちらも連立方程式というテーマの問題で、どちらも同じように見えます。
しかし早稲田本庄の問題ではこの連立方程式自体が少し解きにくくなっているんです。
よくみると早稲田本庄の問題には小数点と分数がありますね。
このひと手間のせいで問題の難易度が上がります。
何より計算ミスが起こりやすくなるので、素早い時間で解ききる圧倒的な基礎力が必要となるわけです。
青山学院と慶應志木の問題比較
A、B2つの容器に、それぞれa%の食塩水900gと、b%の食塩水500gが入っている。最初にAから100gの食塩水を取り出しBに加えた。
(1)このとき、Bの容器に含まれる食塩は何gか。aとbを用いて表せ。
(2)その後、Bから100gの食塩水を取り出してAに加えたところ、Aの濃度は8.50%、Bの濃度は2.50%になった。a、bの値を求めよ。
ある濃度の食塩水が2000gある。これに3%の食塩水500g混ぜても、1%の食塩水300gを混ぜても、同じ濃度の食塩水ができる。混合後の食塩水の濃度は何%か。
早慶とGMARCHの問題で共通している点
- 食塩水を混ぜる問題であること
- 文字式を使って2次方程式を作ること
早慶とGMARCHの問題で違う点
- わからない数字を自分で文字において解く必要があること
問題が長くてわかりづらいですね。
食塩水の問題だと理解いただければ大丈夫です。
これ一見すると青山学院の過去問の方が難しいように見えるんですが実は逆なんです。
どこか逆になるポイントなんですか?
青山学院の問題ではaとbの文字が問題文で使われているので、実は計算式を立てやすいんです。一方で慶応志木の問題はどうでしょうか?
あ、文字がないですね。
そうなんです。慶應志木の問題では何の数字を文字で表すかを受験生が考えないといけないんです。これがひらめき+応用力が問われる例です。
立教新座と早稲田学院の問題比較
√10の小数部分をxとするとき、
(2x+1)2-2x(x-3)+(x+5)(x+3)-12
の値を求めなさい。
√37の小数部分をaとするとき、次の問いを答えよ。
(1)aの値を求めよ。
(2)a2+12a-1の値を求めよ。
(3)3a3+36a2+4a+1の値を求めよ。
早慶とGMARCHの問題で共通している点
- 小数部分を求めること
- 2次方程式を展開・因数分解して解く必要があること
早慶とGMARCHの問題で違う点
- 3次式の式を因数分解する必要があること
- 平方完成という考えを使うこと
最後は立教新座と早大学院の過去問です。
この2校の問題は小数部分を求める問題+因数分解という点は同じです。
早大学院はx3が出てきていますね。
そうなんです。この小さな違いが実は計算をとても難しくしているんです。あとは因数分解の難易度も、早大学院の方が複雑です。
いかがでしたでしょうか?
GMARCHと早慶の壁が見えてきたのではないでしょうか??
単純にGMARCHの勉強をしているだけでは、それは基礎の積み重ねにとどまってしまいます。
もちろん圧倒的な基礎力を鍛える、という点では有効ですがひらめきや応用力の問われる早慶の問題にはなかなか対応できません。
GMARCHの壁を突破するための2つの勉強法
ここからはGMARCHの壁を超えて早慶に合格するために受験生に意識してもらいたい2つの勉強法(考え方)をご紹介します。
高校受験で早稲田の合格した私の個人的な経験と事実に基づいた説明をしておりますので、お子さんの勉強や指導のご参考にしてみてください。
教科書よりもテストを優先すべし
繰り返しになりますが、早慶の問題を攻略する上で絶対に身につけなければいけないのが、応用力とひらめきです。
そして応用力(とひらめき)を身につける上で非常に重要なのがテストや公開模試を受けることです。
早慶合格に必要な圧倒的な基礎力については、塾の内容や教科書の内容をひたすら叩き込むことで攻略できますのでここでは割愛いたします。
基礎力を身につけるには教科書や参考書を何周もすれば身に付きます。
ただひたすらやるだけです!
では、なぜテストがここまで重要なのでしょうか?
ここではテストの重要性について2つの理由を用いて説明しています。
- 早慶の問題には初見で解く問題が多く、難易度の高い模試はいい練習になる
- 正解の導き方を受験生が即興で考える必要がある(暗記した解き方では解けない)
- 応用力とひらめきはとにかく経験を積むことが大事
- 知らない問題や初見の問題をどれだけ多く経験しているかが大切
早慶の問題には初見で解く問題が多い
早慶の問題にはなんかみたことはあるんだけど、でもパッと解き方が思いつかないような問題が多々出題されます。
要するに、初見で解く問題です。
高校受験の参考書の数字を変えただけのような問題は早慶レベルの問題ではあまり出ません。
そうなると受験生はその場で即興で式を組み立てて、答えを出す必要が出てきます。
この経験は単元別で分かれている教科書ではなく、模試やテストなどで積んでいくしかありません。
まずは早大学院と慶應義塾の過去問から見てみましょう。
細長い平行四辺形のテープLがある。Lの長い方の辺を4等分した各点から短い方の辺に平行線を引き、これらの平行線を折り目として折り返し、W字形の図形Wをつくった。テープを折り返したとき〜(続く)
こちらの早大学院の図形の問題では、WASEDAのWの文字の形に図形を変えていますね。
周の長さが10cmの円の面積を求めなさい。
半径が○cmのときの円周の長さを求めなさい。
慶應義塾に出題される小問1つ1つも、簡単そうに見えて意外と解いたことのない問題が多いです。
120の約数をすべて掛け合わせると120aとなる。このときa=□である。
120の約数の個数を求めなさい。
120の約数を掛け合わせるといくつになりますか。
約数の掛け算と、累乗の仕組みがわかっていないと解けないような複合問題です。むずかしい!!
普通に教科書を解いているだけではこのような問題は出てきません。
このように早慶受験で初見で解くような問題が、駿台模試などの外部テストで擬似的に受けることができます。
なのである程度の基礎問題を解き終えたら積極的にテストを受けるようにしていきましょう。
応用力やひらめきを身につけるには1つでも多くの問題を解く経験が必要
そしてテストや模試を受けるもう一つのポイントは多くの初見問題の経験を積むことができるところです。
テストをたくさん受けて、初見問題をひたすら解く経験を積むことが受験本番では大切になります。
なぜなら正しい復習をすれば、一度解いた問題も忘れずに覚えておくことができるようになり、受験本番で「知っている問題」を少しでも増やすことができるようになります。
ちなみに、正しい復習方法はこちらから!
こちらの記事では効果的な復習方法として、以下のようなポイントをあげられています。
- 1回目の復習を翌日
- 2回目は1回目の1週間後
- 3回目の復習はさらに2週間後
- 4回目がその1ヵ月後
- 5回目がその2ヵ月後
少なくともこのように初見の問題を繰り返し解いて何度か復習をすることで、どう攻略していけばいいのかといったヒントを掴むことができるかと思います。
少しでも多くの応用問題を解いて、早慶レベルの問題慣れをするように意識してみましょう。
今の自分になにが足りていないのかノートに書いてみよう
続いて、早慶レベルの問題を攻略するために必要なのが復習の仕方です。
ここではノートで復習するときのポイントについて解説していきます。
復習の仕方一つとっても、勉強の効果は大きく変わります。
せっかく復習するならより身に付く方法を試していきましょう!!
ところで、早慶の過去問に限らず、問題が解けないときのパターンは大きく3つあります。
- ケアレスミスで間違えるとき
- 解き方は分かったけどそれでも間違えてしまうとき
- 解き方も全くわからずに間違えてしまうとき
これらのパターンのうち、「解き方は分かったけどそれでも間違えてしまうとき」、「解き方も全くわからずに間違えてしまうとき」の2つの場合の復習について説明していきます。
解き方は思いついたけど間違えてしまったときはとにかく書き出す!
解き方はなんとなく合っていたけど、最後まで正解できなかったという場合、復習の仕方はシンプルです。
効果的なのは問題を解く上で足りないピース(公式、情報、数字)がなんだったのかを書き出してみることです。
復習の仕方
円の公式を使えば解けそう!!
でも円の公式を忘れちゃった。
復習ノートの書き方(参考例)
円の公式
面積:半径×半径×π
円周:半径×2×π
ここの長さを使って、三平方の定理を使えば答えが求まりそう!
でも長さがわからない・・・!
そこの長さを出すために必要な情報
・○○の面積→問題文に書いてある
・□□の長さ→△△から計算できる!
このような形で逆算しながら、どの情報があれば正解できたのか原因を辿っていくと効果的な復習ができます。
問題が解けないということは何かしらの部分が分かっていない/もしくは気付けていないことになります。
ですのでその原因を突き止めるように1つずつどんな情報や公式が必要だったのかを考えながらノートを取ってみましょう。
解き方も全く思いつかなかったときは先生に聞くためのノートを作ろう
解き方も全く思い付かなかったとき、これは大きくレベルアップするチャンスです。
受験生の多くは解き方すらわからないと復習のモチベーションが下がりがちです。
なぜならわからないポイントが多すぎて、どこから手をつければいいのかがわからないからです。
そういうときは素直に先生に質問しましょう。
ただ、質問の仕方が悪いと先生もどこを重点的に教えればいいのかわかりません。
ですので、答えから逆算する考え方を使って効率よく先生に質問するための手順を参考にしてみてください。
はじめにやるべきことは解説をきちんと読むことです。当たり前ですが、解説の内容を理解できれば正解できるはずですので、どこでつまづいてしまったのかを見つけましょう。
なぜここでこの公式を使うのか?
なんでこの長さを求めるのか?
とわからない疑問がいっぱい出てくると思いますので、見返したときにわかるようにマーカーやペンで印をつけておくようにしましょう。
「先生この問題を教えてください!」では、先生もどこがわからないのかがわかりません。
「先生、この問題を解いてみたけど、ここの数字をなんで求めないといけないのかがわかりません!」と聞いてくれる方が先生も教えやすいですし、受験生も必要なポイントだけ教わることができるので非常に効率よく勉強できます。
家庭教師や塾講師をしていろんな生徒を見てきましたが、実はちゃんと解説を読み込んでいる生徒ってあまりいないんですよね。
質問の仕方一つで先生の教え方も大きく変わるので、効率よく勉強するためにノートになぜ?をたくさん書き出しておきましょう。
まとめ
最後に超かんたんにまとめます!!
この記事ではまず、GMARCHと早慶の問題のレベルの差について解説しました。
- GMARCHの問題は基礎力とスピードを求めている
- 早慶の問題は基礎力+応用力/ひらめきを求めている
ので!GMARCHの勉強だけしていても早慶の問題は簡単には解けません。
そしてこの差を埋めるための勉強方法を2つ紹介しましたね!
- テストや模試を教科書よりもやるべし!
- 早慶の問題には初見で解く問題が多く、難易度の高い模試はいい練習になる
- 正解の導き方を受験生が即興で考える必要がある(暗記した解き方では解けない)
- 応用力とひらめきはとにかく経験を積むことが大事
- 知らない問題や初見の問題をどれだけ多く経験しているかが大切
- 早慶の問題には初見で解く問題が多く、難易度の高い模試はいい練習になる
- 何が足りていないのかノートに書き出そう!
- ケアレスミスで間違えるとき
- ひたすら見直し!どこで間違える癖があるのかを知っておくこと!
- 解き方は分かったけどそれでも間違えてしまうとき
- 必要な情報や公式が足りないので、原因を突き止めてノートに書くようにしよう
- 解き方も全くわからずに間違えてしまうとき
- どこがわからないのかを整理して先生への質問の質を上げるようにノートを書こう
- ケアレスミスで間違えるとき
これらの勉強法で参考になりそうな点がありましたら、ぜひお子さんと一緒に実践してみてください!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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